涙...（昨日の事）

近くのひなびたテーマパーク（？）へたまに行く。
そこには不似合いな、ドイツ風の立派な宮殿があり
お気に入りのカン○ベリーの店があり
美味しいパスタ屋がある。
そこへ三人で行ったのだが、
宮殿の前のお堀で娘は鯉をみて黄昏れていた。
そこで、ちょっと欧風（？）な格好をした奇抜な
お姉さんが記念写真を撮ろうとしていたので
娘をだっこし立ち去ろうとしたのだが足をバタバタ
させて嫌がったと思ったら
「ピューン..」いや、音もなく靴が飛んでいった。
唖然とする僕と娘。ちょっと怒っている妻。
大丈夫かなと言う顔をしているお姉さん。
折からの強風に煽られ靴は流れていく...。
とりあえず職員の方にお願いして竹ざお＆網でとって頂く。
なんとビニール袋まで持ってきて下さった。
非常に親切なおっちゃん達でした。ありがとう！
先に宮殿内の喫茶店で待っていた妻娘に報告.....と...
娘が靴を見るなり瞳に涙がみるみるあふれ
泣きながら僕に「ありあと〜」と言った。

胸が痛んだ。
このコはこんなにモノを大切にしてくれてるんだな。
おとさんはその時、もう半ばあきらめていたんだよ。
沈んじゃったらもう取れねえなと。

こんなことだったら飛び込んででも靴を確保して
君を安心させるんだった。
向こうで待ってなさいなんて言わないで
沈まずに頑張ってる靴を一緒に見守ってあげれば良かった。

不覚にも滲み出る涙を我慢できずに
うまい言葉もかけられず、
ただぎゅっと娘を抱き締めた。